疲労に無自覚で過労 札幌の針灸 あさの治療院

2019/11/06 ブログ

前回つかれの症状として軽く触れたことを少し詳しく話そうと思います。


疲れの症状は様々で気になる部分は一部でもそれ以外の個所が健全かと言われればそんな事は有りません。
自覚が無いのがダメージが無いと言う事ではなく触診をしてみると程度差はあっても悪い反応がでています。


悪い反応とはザックリ言うと皮膚や筋肉の状態を指します。
例えば肩こりや腰痛の人の主訴部分が硬かったり張っていたりするのはイメージし易いと思います。


実は筋肉の硬さも色々あり単純に硬さスケール1~10のどこか等と簡単に判断できるものではありません。
さらに面倒なのが皮膚の見極めで特別な訓練を経ていないとプロでも判別が難しいのが現実です。
その為に患者さんの主訴以外の部位を触診する治療家はあまりいません。
それでも主訴部位以外も丹念に診ていくと必ず良くない反応がでています。
つまり不調部位が一部でもあれば全身が悪い状態になっていると思って下さい。


そこで苦痛を感じている所だけを改善出来れば全身が良くなるのかという問題が出てきます。
当然だれにでも当てはまる答えは出し難いのですが敢えて大雑把ですが説明しようと思います。


まず辛い部分を改善すると全身状態も改善する人は少ないですがいます。
若い男性に限りますが第二次成長が落ち着いた頃から社会人になる手前の学生時代がこれに当てはまります。
体力がありストレスが比較的すくなく新陳代謝が高いこの時期ならありえます。


残念ながらこの時期を過ぎるとスッキリ出来てる様でもダメージが完全に抜けるのは難しくなってきます。


以前に話したネタですが女性と違い婦人科の不調がない男性はストレスに強い、言い換えると鈍い為に無理が利きます。
つまり蓄積疲労があっても自覚出来ないので病気になったり過労で倒れて身動きが取れなくなるまで気付きません。
それでも多少は不調らしき自覚している人もいて思いつく症状を挙げてもらうと頭痛、目眩、吐き気、不眠、頻尿、ドライアイ、だるい、ムクミ、など気になる所は一杯でてきます。


このような症状でも筋肉や皮膚に悪い所見は出るもので頭部や腹部、手や足など一見関係のなさそうな所にもでています。
その反応の出方次第で治療法も変わるのですが専門的すぎるのでここでは触れません。


ただこの様な症状も念頭に入れづに一般的な肩腰だけを直接治療するだけでは効果もイマイチになります。
そこで本人の自覚が薄い様な場合でも触診で異常を感じる部分は蓄積疲労と同様と考えて治療することで身体全体の改善も効果的にできます。


自覚は無い人に「あなたのこの症状は疲労の反応で過労のバロメーターになりますよ」と説明すると納得はしてくれます。
ですが次に来院するのはまた倒れた時か倒れる寸前まで追い込まれた時になってしまうのは残念な事です。
納得はしたけれど今まで無理をしてきても乗り切れた成功体験のせめぎあいがあるのかなと思います。


そこで次に乗り切れても積み重ねが溜まると休んでも休んでも際どい体調になってしまいます。
本人も危機感を感じ始めますが本当に無理が出来るのが男性の悲しいところです。
無理を無視して出来上がった身体は少々の節制や場当たり的な健康運動ではらちがあきません。
そうならない為に若い頃から節制や運動、治療も含めて上手くやり繰りしたいものです。